毎日の食事を準備しているからこそ気付く、「偏食にしては何か違うな」という違和感。
そういうことってどのくらいありますか?
あんなに喜んで食べていたのに、ちょっとしたきっかけで食べなくなった
いつもと違うスーパーで買ったものだと食べてくれない
我が家では、長男(以下:ハリー)が小さい頃から現在まで、様々な食材を気に入っては嫌いになりの繰り返し。
いったいいつまで続くんだろう…そう思っていました。
偏食の中でも特にメーカーが異なると食べないとか、調理方法、ほんの少しの変化で食事を嫌がったりする場合、「味覚過敏」かもしれません。
味覚過敏の特徴とハリーの食事の対応方法を紹介します!
参考にしてくださいね
- 子供の偏食が激しくて、毎日の食事に困っている
- 小学校など給食を食べない子がいる
「味覚過敏ってなんだろう?」と理解したい方、主に子供の味覚過敏に関して書いています。
味覚過敏の特徴
子供は、言葉による表現方法が不十分。
味覚過敏がどういった状態なのかよくわからないですよね。
味覚過敏って…
8冊ほど調べましたが「味覚過敏」、「感覚過敏」は辞書には載っておらず、学校の先生やかかりつけ小児科医に話しても知らない人が多い印象です。
まず「感覚過敏」とは
刺激を受け取る働きが過度になってしまうこと。
引用元:栗本啓司(2018年)『感覚過敏は治りますか?』株式会社花風社
周囲の音や匂い、味覚、触覚など外部からの刺激が過剰に感じられ、激しい苦痛を伴って不快に感じられる状態のこと。
引用元:医療法人弘善会グループ『感覚障害について』
他の人よりも感じる刺激が強いために、生活に支障をきたすことも。
「味覚過敏」とは味覚に関する外部からの刺激(食感やにおいを含む)が過敏になっていて、食事をする上で困難な状態だと言えます。
感覚過敏は発達障害を持つ人に多いと言われていますが、発達障害の有無に限らず過敏な人はいます。
味覚過敏は病気としてはっきり診断されているものでもなく、ただのわがままだという考えが広く定着しているせいもあって、第三者に説明するのに難しい部分があります。
発達障害の有無に関しては、判断する医師によって異なる結果が出ることもあること、大人になってから「生きづらさ」が発達障害によるものであったなどと耳にするため、ハリーについては言及できません。
苦手な食事の特徴は?
味覚過敏とは、具体的にどんな時に不快に感じたり、何を好んで食べるのかまとめました。
ここでは、主にハリーや親戚の子などの傾向をまとめています。
しいたけなどキノコ類全般が苦手なハリーは、味噌汁にキノコ類が入ると気付きます。
また香りの強めの食材(トマトやしょうが、バナナなど)もダメです。
ハリーは基本的に嫌いな味のものと食材が引っ付くのが嫌いです。
カレー以外の丼物は、基本的にごはんに混ざるのが嫌です。
ハリーに関しては、照り焼きなどの甘辛い味付けが苦手です。
また、辛い物など刺激のある味は食べると顔が赤くなってきます。
その子によって苦手な味は異なります。
ねばねばしたもの(納豆や里芋、オクラなど)
サクサクしたもの(とんかつの衣など)
噛み切りにくいもの(タコやイカなど)
プチっとした食感の物(ごま、数の子など)
食材はもちろんのこと、同じメーカーのものを好んで食べます。
いつもと同じであることに安心するようです。
季節の野菜や果物など少し苦手であるものの、継続的に食卓に出ていれば食べることができるものもあります。
我が家では毎日のお味噌汁の具は決まっています。
一時期キャベツが高騰したのをきっかけに、お好み焼きがやや苦手になりました。
温かいと食べられない、または熱々のものでないと食べないことがあります。
ハリーは冷たくなったお味噌汁なら食べられるので、いつも一番最後に食べています。
じゃがいもやうどん、ラーメンの麺だけ、白ごはんなど、味や食感に特徴の少ないものは食べやすいようです。
具なしの素うどんや素ラーメンだと大喜びです。
他にもその子の感じ方によって苦手なものはたくさんあると思います。
又従姉は、炊き込みごはんの具を全部取らないと食べられません。
偏食と味覚過敏
偏食と味覚過敏は違うの?
いわゆる偏食は以下のように書いてありました。
食べ物に好ききらいがあり、好きな物ばかり食べること。
引用元:株式会社ベネッセコーポレーション(2016)『チャレンジ 小学国語辞典 第六版 コンパクト版』
これは年齢に関係なく、幼少期の嫌な思い出などで食べない「食べず嫌い」なども含んで偏食と考えています。
辞書によっては「食生活(栄養素)が偏っている」とするものもあり、また多かれ少なかれ、大人になれば自分の食べたいものを選択できるので、隠れ偏食の人は多く存在すると思います。
味蕾が、命を守るために「体の中に入れてはいけないもの」と「入れていいもの」を判断する。
苦手なのは、苦いものや酸っぱいものなど。
成長とともに味蕾が減っていき、食べられるようになることがある。
未就学児~小学生にかけては「味蕾」の数が多く存在するために、野菜など嫌いな子はいます。大人がおいしいと思うような苦みも、子供の頃にはまずく感じて食べられないこともありましたよね。
これらは、味蕾が口に入れたものを毒などと判断している状態なので、何度か慣れたり成長するうちに食べられるようになることが多いです。
味覚(食感、においなど)に対して敏感なので、微妙な変化を感じ取ることができ、不快(時には痛みも)に感じることで食べられない。
見た目(形や色など)で食べないこともある。
味覚過敏で印象深いのは「味」だけでなく、「食感」や「におい」、「温度」なども含めて「口の中に食べ物を入れて感じること」に関して敏感であること。
さらには、見た目から嫌悪感を抱くものもあって、例えば緑色の野菜なんかはどんなに小さくても見つけ出す「嫌いなもの探し」が得意です。
ハリーは、食感の気持ち悪さがあることを強く訴えていました。
味覚が過敏であるからこそ食生活(栄養素)が偏る「偏食」であり、食べることが困難な状態と言えます。
ベジタリアン (Vegetarian) という言葉は英国ベジタリアン協会発足の1847年に初めて使われた。ベジタリアンという言葉は「健全な、新鮮な、元気のある」という意味のラテン語 ‘vegetus’ に由来する。
引用元:日本ベジタリアン協会「ベジタリアンとは?ーベジタリアンの語源」
現在では動物性たんぱく質を一切取らない「ヴィーガン」や、果物やナッツ類のみをしか食べない「フルータリアン」などの食習慣をもつ人たちも知られるようになりました。
ただ、足りない栄養素をおぎなうことをしない『極端な食生活』をする人は「偏食」と言えます。残念なことに、そういった考えに偏って命を落としてしまったというニュースもありました。
その他には、宗教的な理由で食べない(イスラム教の「ハラール」、仏教の「精進料理」)ものもあると思います。
ただ、これらは動物性たんぱく質の代わりに植物性たんぱく質を摂るなど、栄養面では考えられているので「偏食」に含むかどうかは微妙なところかなと思います。
また、嗜好品など極端に摂ってばかりだとか、金銭的な理由で安い物ばかり食べている、コンビニやファーストフードなどの食事ばかり食べている場合も、栄養面では「偏食」になっていることがありそうです。
ハリーは「味覚過敏」という理由があって偏食であるという状態だね
味覚過敏の食事の対応法は?
具体的に何を食べさせたらいい?というのが一番の悩み。
子供によっては、本当に炭水化物しか食べられないなんて子もいますよね。
我が家ではこんな風に対応してきたので、アレンジする参考にしてみてください。
一緒に作ってみる
ハリーは頑固なもので、一緒に作って食べられるものは「餃子」一択です。
それでも、入れてもいい食材は何か、どんな風に作っているのかをしてみるとお気に入りになってくれることもあります。
今では餃子を一緒に作ることはなくなりましたが、餃子だとテンション高めで食べてくれます。
一緒に作っていた時と同じ食材で作ること。
鶏そぼろにいつもは入れていなかったしょうが汁を入れたら、『気に入らない』といって食べてくれなくなった!
少しでも栄養を…と考えて加えた食材がきっかけで、一品おかずが減るのは困ります。
加工品を活用
よくお世話になっているのは加工品です。
加工品なんて、添加物や塩分たっぷりで大丈夫かな
そうですよね。
できれば加工品もできるだけ少なくしたいのが本音。
でも、「災害時」やあなた自身が体調が悪くて「食事の準備ができない時」など、食べられるものがないと困りますよね。そんな時のために、食べられるものがどれだけあるかを把握することも大切です。
また、加工品で意外なものが食べられることがわかって、自宅で作れるものなら一品増えますよ。
ハリーはチキンナゲットが食べられるようになったので、チキンナゲットを手作りしています。
ちょっと苦手な物に慣れさせる
ちょっとだけなら食べられるものであれば、継続的に食卓に出して食べられるようにして慣れさせます。
無理に食べさせることは良くないけど、本人が納得して食べられるものであれば少しでもオッケー。
ハリーは毎日の味噌汁がちょっと苦手
具は毎日同じで、ネギや豆腐などは別でトッピング
前にしめじやしいたけを入れてたら、キノコ類は香りもあってすぐにばれました
また、本人が食べなくともお皿に盛ってあげることで、見て、香りを感じて慣れさせることも必要だと感じています。無理のない範囲で少しずつ慣れていけばいいでしょう。
まとめ:周囲の理解で食べられるものを増やそう
ごはんを作る家族も、そして学校の先生もなんで食べないんだろう?と感じることがあると思います。
成長に伴って自然と食べられるようになる子もいれば、毎食苦痛を感じている子もいるかもしれません。
多くの人に少しでも「味覚過敏」について知ってもらうことで、本人の気持ちも楽になり、また家族も食べられるものを作ることができると思います。
- 口の中で感じる食感や味、においなどが強いために不快に感じること
- 色や見た目、形などへのこだわりが強く、同じものを食べることに安心する
無理にではなく、できる範囲で一口だけでも食べられるような環境にしてあげることです。嫌だな、苦手だなと思うものを全て避けていても、食べられるようにはなりません。
本人の「食べてみたい」という気持ちを尊重しながら、楽しい食卓を囲みたいですね。
でも味覚過敏ってどんな感じか想像できないな
とても分かりやすい表現、ありますよ。
すでに加工品として売っているものですが、そのままの形のものは嫌がる人多いはずです。
それは未来の食糧危機を救うと言われている「昆虫食」。
ゴキブリやタガメ、せみなどそのままの素材を生かしたスナックです。
他にどんなものかあるか知りたい方は昆虫食のTAKEOページをご覧ください。
※加工されたものもあります。
昔、韓国でポンテギという蚕の蛹(さなぎ)を食べたことあるよ!
意外と美味しかったけど、今は食べられないかも…
どうですか?胃の辺りがぞわぞわとしたら、味覚過敏の子の嫌だなって思う気持ちは共有できたと思います。
こんなものばかり毎食食べないといけないと思うと、食べられるものがない食事の時間は味覚過敏の子にとって拷問でしかないですよね。
毎日は無理でも個別に何か食べられるものを用意してあげられると、本人も気持ちが楽になると思います。食べられないという気持ちを理解して、楽しい食卓を囲めるようにしていきたいですね。